◆megumi’s blog◆

クラリネット奏者 伊藤めぐみの気ままなブログ。 HP→http://clarit.omegumi.com/

3.11

4年目の3.11を迎えました。

東京で暮らしていると、あの日あの時テレビや新聞で見た出来事は本当に現実世界で起こったのだろうか、とふと思ってしまう事がありますが…。

昨年、何度か仙台に行く機会があり、ある日楽団員の方にお願いをして、まだ被害の爪痕が残っている海沿いに車で連れて行ってもらった事があります。
知らない場所の知らない風景。波が押し寄せる海岸。堤防。そして目の前に広がる荒れた草原。人はほとんどいません。
しかし、その方が海の方を見ながら静かに「ここには以前、まちがあったんだ」と話した時の事を私は一生忘れません。それは、言葉にもならない衝撃でした。
車から見えていた草原は、車を降りた後立ち止まってよく見たら建物の基礎部分が残っており、所々に旗も立っていました。
海辺には、震災後に建てられたと思われる白い大きな菩薩像が私達を見下ろしていました。遠くの沖では、クレーン車がせかせかと動いていて工事をしているようでした。
その後、場所を移動して祠のある小さな高台に登りましたが、あの風景をどうして忘れる事ができるでしょうか。

その時私に出来たことは、その祠の前で手を合わせ、祈ることだけでした。
耳に残るのは、海風の強い音、打ち寄せる波の音、無機質に響く工事の音。
あとは、何もありませんでした。

あそこに住んでいた人達が今もどこかで元気に暮らしている事を願ってやみません。

震災を決して忘れない。
今、自分に出来る事は何か?考えながら、一日も早い復興と平和を心から祈ります。