Séisme

地震。その直後の大津波、そしてあの日から2週間以上経った今も事態が落ち着かない原発の被害…。
テレビや新聞で目にする恐ろしい映像、写真。母国のあまりの悲惨さに、正直目を疑った。信じられなかった。
とにかくまずは家族や親戚に連絡し、友達に連絡し、ネットをフル活用した。
NHKがネットで視聴できる事を友人に教えてもらったので、毎日ほとんど一日中ずっとパソコンに張り付いていて事態を把握しようと必死だった。日本のニュースよりも、フランスの報道の方が過激で、とりわけ放射能に対してはフランス人達の方が敏感に反応しているように感じた。
日本地図どころか、世界地図規模で放射性物質の広がりを報道するフランスのテレビ。東京で普段通り仕事をしている友人に「（せめて）関東から離れたほうがいい」と連絡するも、返って来た言葉は「大丈夫。心配しないで。」
心配していたのは私の方なのに、逆に心配をかけてしまった。本音はひょっとして大丈夫ではないかもしれないのに、決して他人に感情を見せようとはしない。　彼らは強い。その時本当にそう思った。

予定では既に日本に帰国しているはずでしたが、用事は次々とキャンセルになり、節電を呼び掛けている東京に帰ったとしても消費者が一人増えるだけ…。色々考えた結果、フランス滞在を数週間延ばすことにしました。
ここで、帰国するまでの間、募金活動やチャリティーコンサートなど、一人の人間として、あるいは音楽家として、日本の為に自分が出来る事を少しでも実行していきたいと思います。
先日、こちらで通っている音楽学校の校長先生に相談したところ、4月上旬に行われる演奏会で、被災地支援募金も同時に行う事を快諾してもらいました。私は他の日本人学生達に呼びかけて日本の歌を演奏し、募金に協力してくれた方には折り紙の鶴を配ります。
そんな事くらいしか出来ない自分が情けないですが…。あとはただただ祈るしかありません。
これ以上被害が広がりませんように。一人でも多くの命が助かりますように。少しでも早く被災者の皆さんが普段の生活に戻れますように…。

今年はフランスの方が日本より早く春が訪れたみたいです。先週からとても暖かい日が続いています。
私は今年も日本の桜が見れそうにないのですが…。日本にも早く素晴らしい桜の季節が訪れますように…！